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ある大学生の日常をエッセイ調にかっこつけて書く。

散歩

7都市目:バルセロナ(3)〜マーレ・ノストゥルム〜

ランブラス通りには相変わらず気持ちの良い風が吹き抜けている。緑が輝き、平和そのものの雰囲気の中、時折スリがウロウロしていた。台の上に立ったピエロが風船で犬を作ったり、彫像に扮した男が道行く人にぎこちなく帽子を取って見せたりしている。楽しい…

7都市目:バルセロナ(2)〜心地よい風の街〜

ホテルのロビーで地図をもらい、治安の悪そうな路地を歩いて、わたしは再びランブラス通りに出た。 La Rambra ラ・ランブラ。名前以外は何も知らなかった道。今Wikipediaで調べてみると、「水路」という意味らしい。そして、これは全く知らなかったことだが…

6都市目:トゥールーズ(2)〜カスレクエストと理系のロマン〜

できるだけ先ほどのホームレスのいるところを避けながら、わたしは街の中心部へと戻った。何だか暑い。泊まる場所があんな感じだと少し元気もなくなるもののようだ。 三時にランチ場所が空いているのかよくわからないので、ウィルソン広場のハンバーガーショ…

4都市目:アヴィニョン〜グリーングリーン〜

9時20分の在来線TERで、わたしはフランス南部の都市アヴィニョンへと向かった。今までフランスというとパリとリヨンにしか行ったことがなく、リヨンより南に至っては通過したこともなかったから、初めての「南仏」であった。 車窓から見える風景は徐々に変化…

2都市目:ディジョン〜重荷を背負って〜

5時半頃にホテルをチェックアウトして、ホテル・ル・クレベールを出ると、案の定空は真っ暗、そして小雨が降っていた。コートのボタンを留め、トラム乗り場に行ってみたはいいが、乗り方がよくわからない。トラムを待っている女性に聞いてみて、なんとかチケ…

1都市目:ストラスブール(2)〜戦争と平和の狭間の街〜

ストラスブールの教会は、歴史の積み重ねを感じさせる場所だった。赤みがかった石の一つ一つに歴史が刻み込まれている。天井の高い巨大な空間全体が、歴史を語っているようだ。そしてその古くから続く祈りの場にはなにやら神がいそうな気もしないでもなかっ…

1都市目:ストラスブール(1)〜戦争と平和の狭間の街〜

パリのシャルルドゴール空港についた次の日、私はフランス版の新幹線とも言えるTGVに乗って東の果てのストラスブールを目指した。TGVは値が張るが、私はユーレイルパスという青春18切符のようなものを持っていたので、予約料だけを払えばよかった。パリから…

街がいきづく〜一度きりの出会いと懐かしい香り:赤坂−溜池−六本木〜

今日も例によって昼の時間を潰すべく赤坂へと向かった。日差しは強いが、サイゴンほどではない。湿気はあるがバンコクほどではない。私には今日赤坂へと向かう確固たる理由があった。それは、「街が生きている」と題した記事の中でも触れた、赤坂に出没する…

街が生きている(赤坂)

東京の面白いところは、いろいろな場所によって、それぞれの個性が光っているところだと思う。新宿には新宿の、四谷には四谷の、麹町には麹町の、丸の内には丸の内の、八重洲には八重洲の、銀座には銀座の、有楽町には有楽町の空気がある。ちょっと離れるだ…

ヴェトナムの方がやってきた

6月10日と11日は、代々木がヴェトナムになる日だった。5月ごろから代々木公園では、カンボジア、タイ、ラオスと東南アジアの国々を紹介するフェスが開かれ、6月10日と11日はヴェトナムフェスティバルが開催されていたのだ。 去年、一昨年と連続してヴェトナ…

過去の感じ方

イタリアの首都ローマの街を歩いていた時のことだ。 独特の赤みを帯びたベージュ色、とでも言えるような建物が立ち並んでいる道を進み、わたしは古代ローマの神殿「パンテオン」を目指していた。だが一向にパンテオンは現れず、途方に暮れていた。季節は12月…

台風の日〜馬勒卡の巻、あるいは本当の旅〜

幸福は災難の内にあることがある。むしろ災難が起こるからこそ、幸福なのかもしれない。 台風16号「馬勒卡」がフィリピン沖に発生したのは、わたしが台北について間もなくのことだった。台風14号の影響がどれほどか、それを不安に思いながら始まった旅だった…

Fifteenth Night PART3

「昼の夜市とジャズバークエスト」 国父記念館から、昼の臨江街夜市へは、大した道のりではない。曇りだったから日差しも大した事はないし、かなり広い大通りを伝ってゆけば、いつの間にかたどり着く。途中で派手でゴテゴテとした中国式神社があり、そこのす…

Shalom 'al Outremont

カナダで私1人が経験したことは、ケベックシティの一人旅だけではない。今日はその話をしよう。 ケベックシティ一人旅の翌日のことだ。まずはみんなと再会を果たし、みんなで朝食を店で食べ、そのあとは何をしたのかいまいち覚えていない。昼食の時間になる…

ケベックシティ冒険譚

そろそろ、今まで書いていなかったことを書こうと思う。それは、ケベックシティへの一人旅の話だ。 今回のプログラムでは、二週間目の週末に、それぞれがオプションでアクティビティーを選んで参加できるようになっていた。ナイアガラの滝旅行、ネイチャーア…

一人歩きの夜

みんなでしゃべったりしながら、いろいろなところに行くのは楽しいことだ。ふざけてみたり、笑ったり、色々と話したり、なかなか楽しい。わたしは喋るのが好きだし、わりと寂しがり屋だからだ。 だが、個人行動ほど楽しいものもない。一人宿舎を抜け出し、喧…

大久保オンマイマインド

夕方になるとどっと疲れる割に、朝になって太陽を浴びると元気になるのだから困ったものだ。そして昼間活動的になって、そして家に帰ると再びどっと疲れる。そんな毎日の繰り返しである。 さて、昨日のことだ。わたしは午前十時からバイトの研修が入っていた…

手ぶら族の夏

わたしは基本的に手ぶらだ。もちろん、大学に行くときはバッグを持っているが、それ以外では手ぶらだ。かつてはそんなことが普通のことだと思っていた。少々男女差別的な発言かもしれないが、男は手ぶらなものだ、などと思っていたのだ。だが、高校から大学…

吉祥寺が教えてくれたこと

五月が好きだ。太陽が輝いている。新緑ももちろんいいが、わたしは太陽が好きだ。暑くなってきているのは確かだが、8月の暑さとは違って、気分のいい暑さである。 今日、わたしは吉祥寺へ向かった。吉祥寺は我が家からも近く、諸事情により無料でいけるため…