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ある大学生の日常をエッセイ調にかっこつけて書く。

散歩

16都市目:パリ(1)〜再会〜

この度の実質的最後の滞在地パリは、再会の街であった。そもそもパリという街自体、再会の相手だった。今まで巡ってきた街は、リヨンを除けばどこも初めての場所だった。しかしパリは4度目になる。そしてそんな街でわたしは5度にわたる再会の場に立ち会った…

15都市目:モンサンミッシェル(1)〜異様な城郭〜

朝起きて、パッキングをし、フロントに降りると、昨日のおじさんではなく、ちょっと怖そうなおばさんが座っていた。チェックアウトの手続きを済ませ、 「朝食はどこで食べられますか?」と尋ねると、「あっちよ」とおばさんはフロントの奥の方をぶっきらぼう…

15都市目:レンヌ(2)〜黄昏の暑く温かい街〜

車通りの多い駅前の通りを歩き、途中で右に曲がると、明らかに新市街だなという雰囲気の通りに出た。一応、ホテルのおじさんナビに従って歩いている。その道には、おじさんが言ったように中華料理屋などもあり、なんとなく、移民街を形成しているようだった…

14都市目:カンペール(2)〜I'm Down〜

身軽になって街に出たらもう15時になっていた。明らかに昼を食べ逃している。だが何も食わないというのは癪にさわるので、教会前の広場で食べられるところはないかと探した。すると、一軒やっている。隣は観光案内所だ。 未だにヨーロッパの店の入り方を理解…

13都市目:ナント(2)〜Live Together in Perfect Harmony〜

ナントの街を歩いていて気づくのが、他の街、他の国と比べて人種間交流が多いことだ。何が言いたいのかというと、黒人と白人が楽しそうに一緒にいる度合いが高い。もちろん今のご時世他のところでは差別が強くあるわけではない。だがなんとなくグループが出…

13都市目:ナント(1)〜Live Together in Perfect Harmony〜

「次はフランス語で話そう」 「そうね、ムッシュー」 ドイツ人のジャーナリストとバス停で別れた私は、バスに乗ってバス停へ行くという稀に見るシュールなことをした。もちろん、乗るバスは市営バス、目的地のバス停から出るのは長距離バスだ。途中誤ったバ…

11都市目:イルン/アンダイエ(2)〜Across the border〜

朝起きて、別室のシャワールームで顔を洗い、目を覚ました。パッキングをして、外に出ようとすると、鍵が硬く開かない。30分は格闘しただろう。なんとかしてドアをこじ開け、外に出た。代金は払ってあるので、声の高い女主人に声だけかけてホテルを立った…

11都市目:イルン(1)〜異邦人、あるいは旅の終わり〜

マドリードからトレドへ向かうバスとは、明らかに違う風景が外に広がっている。周りは緑、緑、緑。山も緑。ところどころにある建物は、白い漆喰で塗られ、屋根はオレンジ色だ。まさにバスク地方の道だ。日本人にとっては、マドリード付近の荒地が広がる風景…

10都市目:ビルボ(4)〜グランセマナ〜

酒には強いほうなのだが、翌朝に響くことが多い。起きられないというのではない。起きてしまうのだ。2時間毎くらいに起きる。 三軒のバルをはしごし、ジェニファーやムスタファと飲んで、その時は全く平気だったが、起きてみると5時くらいだ。帰って来たのは…

10都市目:ビルボ(3)〜熱狂の街〜

ブラスバンドの音が聞こえてくる方へと歩いて行くと、そこには人だかりがあった。真ん中では四人はどのブラスバンドが楽器を弾き、1人の人が大きな黒い旗を振っている。最初は何事かと思ったが、そういえば祭りである。いわば、前夜祭といったところだろう。…

10都市目:ビルボ(2)〜はしごの夜〜

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 本来なら、旅の第1部(8/10〜8/20)を書き終えて、新年の話でもしようかと思ったが、まだ終わっていないので、ビルバオの続きを話そうと思う。 さて、やっとの思いでホテルを見つけたわた…

9都市目:トレド(2)〜逢いに行けるアンダルス〜

ボカディージョを食った広場の目の前にある教会は異様にでかかった。巨大な尖塔は天に届かんばかりで、そこら中に彫られている聖人の像がこちらを見下ろしているが、像一人一人の大きさが規格外である。トレド大聖堂というそうだ。そのままである。 教会の横…

9都市目:トレド(1)〜旧市街を探せ〜

マドリードからトレドに行くためには、「Plaza Eliptica」という駅にあるバスターミナルまで行かなければならない。洗濯物を取り込んで、乾燥機にかけたのにもかかわらずまだ生乾きの服を部屋の中で申し訳程度に干したあとで、わたしは身一つで外に出た。WiF…

8都市目:マドリード(2)〜アセ・カロル/はじめのバル〜

グランビアは相変わらず殺人的だった。焼き尽くす日差しは、上からも下からも襲ってきて、恐ろしいほどである。演劇の照明装置がぶっ壊れたのだろうかというくらい辺りは真っ白に明るく、それがまた強烈だ。帽子とサングラスでギリギリ健康を保っているとい…

7都市目:バルセロナ(7)〜アデウ、バルセロナ〜

目を覚ますと、ちょうどよく狭い、白と黒の部屋にいた。わたしはベッドから出らと顔を洗い、それから荷造りをした。名残惜しいが仕方ない。今回の旅では最大級に名残惜しい。 重たいリュックを背負ってフロントに戻った。フロントには誰もいない。しばらく待…

7都市目:バルセロナ(6)〜一人前のパエジャ〜

ランブラス通りに戻ってきた私はそのままランブラスを歩いてホテル方面へと向かった。ランブラス通りは区画ごとにテーマがあるようで、カタルーニャ広場のそばはおみやげ物屋が多い。カタルーニャ広場にいた人たちが多いせいか、人がすごくたくさんいる。そ…

7都市目:バルセロナ(5)〜ガウディとカタルーニャ広場、生命の街〜

ガウディは好きではなかった。あの、グエル公園にあるような、うねうねと曲がった土色の壁に斑点、そこに謎のトカゲ、というあの感じが苦手であった。だから、建築家ガウディの生まれた街バルセロナに行こうと決めた時も彼の作品をめぐるということはあまり…

7都市目:バルセロナ(3)〜マーレ・ノストゥルム〜

ランブラス通りには相変わらず気持ちの良い風が吹き抜けている。緑が輝き、平和そのものの雰囲気の中、時折スリがウロウロしていた。台の上に立ったピエロが風船で犬を作ったり、彫像に扮した男が道行く人にぎこちなく帽子を取って見せたりしている。楽しい…

7都市目:バルセロナ(2)〜心地よい風の街〜

ホテルのロビーで地図をもらい、治安の悪そうな路地を歩いて、わたしは再びランブラス通りに出た。 La Rambra ラ・ランブラ。名前以外は何も知らなかった道。今Wikipediaで調べてみると、「水路」という意味らしい。そして、これは全く知らなかったことだが…

6都市目:トゥールーズ(2)〜カスレクエストと理系のロマン〜

できるだけ先ほどのホームレスのいるところを避けながら、わたしは街の中心部へと戻った。何だか暑い。泊まる場所があんな感じだと少し元気もなくなるもののようだ。 三時にランチ場所が空いているのかよくわからないので、ウィルソン広場のハンバーガーショ…

4都市目:アヴィニョン〜グリーングリーン〜

9時20分の在来線TERで、わたしはフランス南部の都市アヴィニョンへと向かった。今までフランスというとパリとリヨンにしか行ったことがなく、リヨンより南に至っては通過したこともなかったから、初めての「南仏」であった。 車窓から見える風景は徐々に変化…

2都市目:ディジョン〜Carry that Weight〜

5時半頃にホテルをチェックアウトして、ホテル・ル・クレベールを出ると、案の定空は真っ暗、そして小雨が降っていた。コートのボタンを留め、トラム乗り場に行ってみたはいいが、乗り方がよくわからない。トラムを待っている女性に聞いてみて、なんとかチケ…

1都市目:ストラスブール(2)〜戦争と平和の狭間の街〜

ストラスブールの教会は、歴史の積み重ねを感じさせる場所だった。赤みがかった石の一つ一つに歴史が刻み込まれている。天井の高い巨大な空間全体が、歴史を語っているようだ。そしてその古くから続く祈りの場にはなにやら神がいそうな気もしないでもなかっ…

1都市目:ストラスブール(1)〜戦争と平和の狭間の街〜

パリのシャルルドゴール空港についた次の日、私はフランス版の新幹線とも言えるTGVに乗って東の果てのストラスブールを目指した。TGVは値が張るが、私はユーレイルパスという青春18切符のようなものを持っていたので、予約料だけを払えばよかった。パリから…

街がいきづく〜一度きりの出会いと懐かしい香り:赤坂−溜池−六本木〜

今日も例によって昼の時間を潰すべく赤坂へと向かった。日差しは強いが、サイゴンほどではない。湿気はあるがバンコクほどではない。私には今日赤坂へと向かう確固たる理由があった。それは、「街が生きている」と題した記事の中でも触れた、赤坂に出没する…

街が生きている(赤坂)

東京の面白いところは、いろいろな場所によって、それぞれの個性が光っているところだと思う。新宿には新宿の、四谷には四谷の、麹町には麹町の、丸の内には丸の内の、八重洲には八重洲の、銀座には銀座の、有楽町には有楽町の空気がある。ちょっと離れるだ…

ヴェトナムの方がやってきた

6月10日と11日は、代々木がヴェトナムになる日だった。5月ごろから代々木公園では、カンボジア、タイ、ラオスと東南アジアの国々を紹介するフェスが開かれ、6月10日と11日はヴェトナムフェスティバルが開催されていたのだ。 去年、一昨年と連続してヴェトナ…

過去の感じ方

イタリアの首都ローマの街を歩いていた時のことだ。 独特の赤みを帯びたベージュ色、とでも言えるような建物が立ち並んでいる道を進み、わたしは古代ローマの神殿「パンテオン」を目指していた。だが一向にパンテオンは現れず、途方に暮れていた。季節は12月…

台風の日〜馬勒卡の巻、あるいは本当の旅〜

幸福は災難の内にあることがある。むしろ災難が起こるからこそ、幸福なのかもしれない。 台風16号「馬勒卡」がフィリピン沖に発生したのは、わたしが台北について間もなくのことだった。台風14号の影響がどれほどか、それを不安に思いながら始まった旅だった…

Fifteenth Night PART3

「昼の夜市とジャズバークエスト」 国父記念館から、昼の臨江街夜市へは、大した道のりではない。曇りだったから日差しも大した事はないし、かなり広い大通りを伝ってゆけば、いつの間にかたどり着く。途中で派手でゴテゴテとした中国式神社があり、そこのす…