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旅、映画、食べ物、哲学?

Europe 2017

18都市目:モスクワ(2)〜До встречи!〜

トゥヴェルスカヤ通りの付け根にある革命広場駅から、スモレンスカヤ駅を目指す。相変わらずエスカレーターが深い。ゆったりとした旅なら良いが、アルバート通りでパッと食べて、クレムリンに戻ってきたかったので、これが鬱陶しい。革命広場駅は、装飾が無…

18都市目:モスクワ(1)〜Снова в СССР?〜

シャルル・ド・ゴール空港からアエロフロートで空を飛び、モスクワはシェレメチエヴォ空港まで三時間。夜も遅いフライトなので多少は眠ったが、時差を換算していなかったがために、5時間寝るつもりが3時間しかなく、寝不足感は否めない。フライト中膝の上に…

16都市目:パリ(4)〜Time To Say Goodbye〜

ジャズクラブでパリの夜を締める前、私は移民街散歩を敢行した。もともと移民街という場所が好きだった。それは単純にこの前パリに来た時に移民街に泊まっていたからかもしれない。前回のパリでは、私はパリ北駅からより北上し、インド人街を抜けたところに…

16都市目:パリ(3)〜Comme le temps passe〜

パリのアパルトマンを出た後は、哲学科としては外せない、パスカルの故郷「クレルモン=フェラン」へ行く予定だった。しかし、パリのアパルトマンで、皆気が変わってしまった。パリは五日では回れないのだ。さらにパリは魅力的だった。だから、私たちはパリの…

16都市目:パリ(2)〜俺たちのヴォージラール、そしてエッフェル塔〜

前にも書いたが、私たちはパリにアパルトマンを一室借りて、5日間住んでいた。日本の「パリ生活社」という会社を使ってネットで予約したため、説明書きが日本語だったし、問題もなく入居できたのがよかった(ちなみに、実は現在私は友人と京都の一軒家に三日…

17都市目:ロンドン(5)〜Hello, Goodbye〜

一歩路地を入る。すると煉瓦造りの通りに出る。産業革命の時代からそのままあり続けているような、レンガのアパートがたくさんある。階段の手すりは鉄製で、これもまた趣がある。こんな場所があるとは知らなかった。正直なところ、テートモダンのあたりの路…

17都市目:ロンドン(4)〜Let it be〜

ヨーロッパの強烈な日差しを浴びながら、国会議事堂を横目にウェストミンスター橋を渡った。渡りきるのは初めてだ。この先にはサウスバンクと呼ばれる地区があり、有名なシェイクスピアのグローブ座もある。ロンドンの新名所で、私は観たことがなかったシェ…

17都市目:ロンドン(3)〜Mother Mary〜

ロンドンの博物館は基本的に無料である。もちろん、払いたくなったら募金箱に払っても良い。つまり、任意である。ナショナルギャラリーに入ろうと思ったのもその辺のお財布に優しい事情があった。 さて、ピカデリーサーカスからナショナルギャラリーのあるト…

17都市目:ロンドン(2)〜London Recalling〜

ベーカー街といえばシャーロックホームズである。数年前BBCで始まった現代版の「SHERLOCK」が大ヒットして以降、この地を訪れた人も増えたと思う。というのも、私は小学六年生の頃、まだSHERLOCKも存在せず、ベネディクト・カンバーバッチも無名だった頃にシ…

17都市目:ロンドン(1)〜First Train to London/Here comes the sun〜

ロンドンは3度目である。シャーロックホームズやハリーポッターの世界にどっぷり浸かっていた小学校6年の夏に家族で行ったのと、それから高校一年の時にアスコットに語学研修で行った時のエクスカーションで行ったのが、わたしのロンドン経験の全てだ。しか…

16都市目:パリ(1)〜再会〜

この度の実質的最後の滞在地パリは、再会の街であった。そもそもパリという街自体、再会の相手だった。今まで巡ってきた街は、リヨンを除けばどこも初めての場所だった。しかしパリは4度目になる。そしてそんな街でわたしは5度にわたる再会の場に立ち会った…

15都市目:モンサンミッシェル(2)〜異様な城塞〜

モンサンミッシェルがそびえ立っている。塔に掲げられた旗はフランスとノルマンディー、ブルターニュとは違う歴史を宿している。とにかく風が吹きつけてくる。そりゃそうだ、城の向こう側は海なんだから。 モンサンミッシェルは山である。頂上にある御本殿が…

15都市目:モンサンミッシェル(1)〜異様な城郭〜

朝起きて、パッキングをし、フロントに降りると、昨日のおじさんではなく、ちょっと怖そうなおばさんが座っていた。チェックアウトの手続きを済ませ、 「朝食はどこで食べられますか?」と尋ねると、「あっちよ」とおばさんはフロントの奥の方をぶっきらぼう…

15都市目:レンヌ(2)〜黄昏の暑く温かい街〜

車通りの多い駅前の通りを歩き、途中で右に曲がると、明らかに新市街だなという雰囲気の通りに出た。一応、ホテルのおじさんナビに従って歩いている。その道には、おじさんが言ったように中華料理屋などもあり、なんとなく、移民街を形成しているようだった…

15都市目:レンヌ(1)〜知らない街〜

ラ岬から戻るともう一時だった。わたしは駅でユーレイルパスをケチって28ユーロのレンヌ行の切符を買った。なぜかと言えば、レンヌからパリまでユーレイルパスを使うとして、そのあとパリで合流する友人とロンドンとクレルモン=フェランに行こうと思っていた…

14都市目:ラ岬〜地の果て〜

目を覚ますと朝だった。まだ7時だ。どうやら熱は出ていない。体の痛みも多少は引いている。わたしはとりあえずパッキングして、ラ岬へ向かう最初のバスに乗ることにした。 チェックアウトをすると、昨日はぶっきらぼうだったホテルのお兄さん=バーの店員=タ…

14都市目:カンペール(2)〜I'm Down〜

身軽になって街に出たらもう15時になっていた。明らかに昼を食べ逃している。だが何も食わないというのは癪にさわるので、教会前の広場で食べられるところはないかと探した。すると、一軒やっている。隣は観光案内所だ。 未だにヨーロッパの店の入り方を理解…

14都市目:カンペール(1)〜Jamais le Dimanche〜

まだ真っ暗い早朝にホテルをチェックインし、坂道を下りて、ナントに名残惜しさを残しながらトラムの駅に着いた時、わたしは衝撃の事実を知った。なんと、今日は日曜日なのである。キリスト教圏の日曜日は恐ろしい。あらゆるものが閉まってしまう。日本にだ…

13都市目:ナント(2)〜Live Together in Perfect Harmony〜

ナントの街を歩いていて気づくのが、他の街、他の国と比べて人種間交流が多いことだ。何が言いたいのかというと、黒人と白人が楽しそうに一緒にいる度合いが高い。もちろん今のご時世他のところでは差別が強くあるわけではない。だがなんとなくグループが出…

13都市目:ナント(1)〜Live Together in Perfect Harmony〜

「次はフランス語で話そう」 「そうね、ムッシュー」 ドイツ人のジャーナリストとバス停で別れた私は、バスに乗ってバス停へ行くという稀に見るシュールなことをした。もちろん、乗るバスは市営バス、目的地のバス停から出るのは長距離バスだ。途中誤ったバ…

12都市目:ボルドー〜ボルドーの人々〜

アンダイエの街には数時間いたが、外には出なかった。理由はない。駅の中で次の街ボルドーでのホームステイ先の人とメールをしたり、本を読んだりしていた。ふと目をやると、赤い看板のキオスク「Relay」や、価格帯が高めの自販機「Selecta」が置かれている…

11都市目:イルン/アンダイエ(2)〜Across the border〜

朝起きて、別室のシャワールームで顔を洗い、目を覚ました。パッキングをして、外に出ようとすると、鍵が硬く開かない。30分は格闘しただろう。なんとかしてドアをこじ開け、外に出た。代金は払ってあるので、声の高い女主人に声だけかけてホテルを立った…

11都市目:イルン(1)〜異邦人、あるいは旅の終わり〜

マドリードからトレドへ向かうバスとは、明らかに違う風景が外に広がっている。周りは緑、緑、緑。山も緑。ところどころにある建物は、白い漆喰で塗られ、屋根はオレンジ色だ。まさにバスク地方の道だ。日本人にとっては、マドリード付近の荒地が広がる風景…

10都市目:ビルボ(4)〜グランセマナ〜

酒には強いほうなのだが、翌朝に響くことが多い。起きられないというのではない。起きてしまうのだ。2時間毎くらいに起きる。 三軒のバルをはしごし、ジェニファーやムスタファと飲んで、その時は全く平気だったが、起きてみると5時くらいだ。帰って来たのは…

10都市目:ビルボ(3)〜熱狂の街〜

ブラスバンドの音が聞こえてくる方へと歩いて行くと、そこには人だかりがあった。真ん中では四人はどのブラスバンドが楽器を弾き、1人の人が大きな黒い旗を振っている。最初は何事かと思ったが、そういえば祭りである。いわば、前夜祭といったところだろう。…

10都市目:ビルボ(2)〜はしごの夜〜

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 本来なら、旅の第1部(8/10〜8/20)を書き終えて、新年の話でもしようかと思ったが、まだ終わっていないので、ビルバオの続きを話そうと思う。 さて、やっとの思いでホテルを見つけたわた…

10都市目:ビルボ(1)〜危機一髪〜

バスはひたすら、一面に広がる荒野の中を走っていた。太陽が照りつけ、地面に生えるのは短い草ばかり。遠くには剥き出しの山の稜線が見えていて、時々、道を見下ろすように、丘には牛の形をかたどった看板が置かれていた。テレビで見たことのあるスペインの…

あの日

30分バスに揺られ、マドリードについた。それから電車を乗り継いでわたしはオスタルに戻ることにした。洗濯物を取り込みたいし、少し休んでから夕食に出かけたかったからだ。 オスタルに戻ると、何やらパーティのようなことをしているらしく、オスタルの人々…

9都市目:トレド(2)〜逢いに行けるアンダルス〜

ボカディージョを食った広場の目の前にある教会は異様にでかかった。巨大な尖塔は天に届かんばかりで、そこら中に彫られている聖人の像がこちらを見下ろしているが、像一人一人の大きさが規格外である。トレド大聖堂というそうだ。そのままである。 教会の横…

9都市目:トレド(1)〜旧市街を探せ〜

マドリードからトレドに行くためには、「Plaza Eliptica」という駅にあるバスターミナルまで行かなければならない。洗濯物を取り込んで、乾燥機にかけたのにもかかわらずまだ生乾きの服を部屋の中で申し訳程度に干したあとで、わたしは身一つで外に出た。WiF…