Play Back

ある大学生の日常をエッセイ調にかっこつけて書く。

モントリオールの暑い日

さて、カナダはケベック州モントリオール滞在もいよいよ四日目と相成った。

授業も始まり、カナダ文化のこと、英語の発音のこと(かなり体系的にやっている。おお、さすが大学生、という感じの授業である。まさかカナダに来て「前舌音」「後舌音」「硬口蓋」なんてやるとは思ってもみなかった)などを学んでいる。部屋にはイタリア人のMくんが同居人としてやってきた。なんと高校生で、今進路のことで悩んでいるらしい。三ヶ月間北米の英語圏を回って行く予定で、今は二ヶ月目だそうである。初々しいなと感じつつも、わたしだってすぐ二年後には決断を迫られることになるのだから、他人事ではない。

とにかく、いろいろなことが始まったのだ。やっと、モントリオールの暑い日々が幕をあけた、というわけである。

1日目は授業の後、私たちが滞在している大学のキャンパスを見せてもらった。私たちが授業をしているのは違う建物なので、キャンパスに入るのは初めてだったのだ。感想から言えば、ひたすらにでかい。広くて長い道が本館のほうへとつながり、本館はそびえ立っている。そしてそびえ立つ頂点には、校旗がはためく。本館の目の前には植え込みがあり、モニュメントが立っていた。案内してくれた人によれば、その下には大学の創設者の骨が半分だけ埋葬されているらしい。まるでブッダである。

大学内には図書館はもちろん、博物館もあった。そこには大きな鯨の骨や、恐竜の骨が飾られており、まさに圧巻そのもだった。

キャンパスツアーが終わると、わたしは大学の前のコンビニエンスストアモントリオールでは、「デパヌール」というらしい)で水を一本買って、再び散歩に出かけた。散歩の途中で、わたしの所属しているグループのミーティングがある、という情報を突然もらって、大慌てで宿舎に戻る、という事件があったものの、その他はいい散歩ができた。行かなかった場所を、頭の中の地図に組み込む。わたしはおととい行かなかった場所を中心に歩いてみた。「プラスデザール(Place des Arts)」という駅の近くに謎の芸術空間があって、そこはまるで異空間の様相を醸し出していた。というのも、地下鉄の駅の改札の横に、謎の「EXPO」という道があり、そこをとにかく歩いたら、いつの間にやらその空間に迷い込んだからである。そこは日差しのおかげで暖かく、歩行者天国だったので、誰もが悠々自適に歩いていた。なんだか、お祭りに迷い込んだようでもあった。

その他にも、高級そうなブティックが並ぶ界隈をうろついたりして昨日は過ぎ去った。二日目、すなわち今日もクラスのメンバーでモントリオール版の「ドトール」「ベローチェ」のような「Tim Hortons」という店でコーヒーを飲んだりした。そんな中で改めて気づいたことがある。それはやはり、ほとんどの人がフランス語を使っていることだ。街中のポスターもフランス語、看板もフランス語、メニューもフランス語、歩いている人はフランス語でしゃべれば、店員だってまずは「ボンジュール」と声をかける。ちょっと「気の利いた」店だと、「ボンジュール、ハーイ」と二ヶ国語で話しかけてくる。

わたしはフランス語を勉強しているが、どうもどぎまぎして英語で話してしまう。だが、フランス語で声をかけると、フランス語で頼んでみたりもする。そしてそのあとでどぎまぎする。事後どぎまぎである。せっかくケベックにいるのだ。これからはフランス語も使ってみようか、そう、思うのだった。