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Play Back〜ハードボイルド大学生活〜

ある大学生の日常をハードボイルドなエッセイ調に書く。

丘の上に立つ

ケベックモントリオール滞在五日目。

モントリオールは快晴である。青い空、白い雲、とはまさにこのこと。太陽の光が道を歩く私たちにググッと差し込んでくる。多少蒸してはいるが、過ごしやすい。ここの気候は気持ちのいい5月を連想させる。

今日、わたしは山に登った。山、というのは「モントリオール」すなわち「王の山(モンレアル)」の名の由来にもなった「モン・ロワイヤル」である。だが、日本人の感覚ではあれは山ではなく、どちらかといえば「丘」と言った方が正しい。大きな丘、である。この大きな丘にはクラスのメンバーで行ったのだが、やはり丘だけあって、たいして体力を奪われることはなかった。もちろん多少の汗はかいたが、足はまだ全然元気である。

モントリオールという街は、この「大きな丘」を中心に成り立っている。

まずど真ん中に「モン・ロワイヤル」があって、そこを起点に場所を把握できる。モンロアイヤルの南東にはダウンタウンと高級ホテル&ブティック街、さらに南東に行けば中華街と旧市街があって、その奥には「サンローランス川」という馬鹿でかい川がある。北東に行くと、サンルイ公園という落ち着いた公園があり、静かで穏やかな空気に包まれている。モン・ロワイヤルの西側には、巨大な墓地があり、その奥にはモントリオール大学があるらしい。また、ユダヤ人街もこのゾーンに存在する。西側はまだ行ったことがない。というのは、わたしが滞在しているのは山の東側であり、西側とは少しばかり交通が遮断されている感があるからだ。ぜひ、これから開拓していこうと思う。

さて、そんなモントリオールのど真ん中にあるだけあって、山の頂上に立てば、街を一望することができた。西側には開けていなかったので、東側の、滞在している場所や、通っている学校、そして何度も散歩したダウンタウンが上から見えた。それはまさに圧巻だった。それはきっと、モン・ロワイヤルが、山ではなくて「大きな丘」だったおかげだろう。高すぎるとまるで街はおもちゃのように見えるが、モンロワイヤルからは、ビル群が自分の目の位置に存在していた。その光景はもう、まるで飛んでいるような、そういうなれば自分がドローンに乗っている気分であり、なかなか壮大だった。

そしておもしろかったことがもう一つある。散歩をしていると、非常に大きな街で、川はずいぶん遠くに流れていると思っていたのだが、このモンロワイヤルから見ると、実はモントリオールは小さな街なのだ。全てがほんの小さな区画に収まっている。川の向こうには、自然が見える。山が二つほどあって、遠くの方は霞んで見えない。これが、アメリカ大陸なのか。そう、ふと思った。