Play Back

旅、映画、食べ物、哲学?

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

10都市目:ビルボ(1)〜危機一髪〜

バスはひたすら、一面に広がる荒野の中を走っていた。太陽が照りつけ、地面に生えるのは短い草ばかり。遠くには剥き出しの山の稜線が見えていて、時々、道を見下ろすように、丘には牛の形をかたどった看板が置かれていた。テレビで見たことのあるスペインの…

あの日

30分バスに揺られ、マドリードについた。それから電車を乗り継いでわたしはオスタルに戻ることにした。洗濯物を取り込みたいし、少し休んでから夕食に出かけたかったからだ。 オスタルに戻ると、何やらパーティのようなことをしているらしく、オスタルの人々…

9都市目:トレド(2)〜逢いに行けるアンダルス〜

ボカディージョを食った広場の目の前にある教会は異様にでかかった。巨大な尖塔は天に届かんばかりで、そこら中に彫られている聖人の像がこちらを見下ろしているが、像一人一人の大きさが規格外である。トレド大聖堂というそうだ。そのままである。 教会の横…

9都市目:トレド(1)〜旧市街を探せ〜

マドリードからトレドに行くためには、「Plaza Eliptica」という駅にあるバスターミナルまで行かなければならない。洗濯物を取り込んで、乾燥機にかけたのにもかかわらずまだ生乾きの服を部屋の中で申し訳程度に干したあとで、わたしは身一つで外に出た。WiF…

8都市目:マドリード(3)〜そうだ、トレド行こう〜

朝起きて、顔を洗う。窓の外では話し声が聞こえる。マドリードの朝か。窓の外は中庭で、住人たちが洗濯物を干したりする。それじゃあわたしも朝食を食べがてら洗濯物を始末してしまおう。 鍵をもらい、オスタルプラダを出たのは確か8:00くらいである。紹介さ…

8都市目:マドリード(2)〜アセ・カロル/はじめのバル〜

グランビアは相変わらず殺人的だった。焼き尽くす日差しは、上からも下からも襲ってきて、恐ろしいほどである。演劇の照明装置がぶっ壊れたのだろうかというくらい辺りは真っ白に明るく、それがまた強烈だ。帽子とサングラスでギリギリ健康を保っているとい…

8都市目:マドリード(1)〜イベリアのヘソのでっけえ通り〜

ついに、バルセロナを離れる。列車に乗り込んでみると、AVEという列車がなんとも先端的な列車であるということがひしひしと感じられてくる。2人掛の椅子がずらっと並び、天井からは幾つかモニターが置かれている。今までの列車にはこのようなモニターはなか…

7都市目:バルセロナ(7)〜アデウ、バルセロナ〜

目を覚ますと、ちょうどよく狭い、白と黒の部屋にいた。わたしはベッドから出らと顔を洗い、それから荷造りをした。名残惜しいが仕方ない。今回の旅では最大級に名残惜しい。 重たいリュックを背負ってフロントに戻った。フロントには誰もいない。しばらく待…

7都市目:バルセロナ(6)〜一人前のパエジャ〜

ランブラス通りに戻ってきた私はそのままランブラスを歩いてホテル方面へと向かった。ランブラス通りは区画ごとにテーマがあるようで、カタルーニャ広場のそばはおみやげ物屋が多い。カタルーニャ広場にいた人たちが多いせいか、人がすごくたくさんいる。そ…

7都市目:バルセロナ(5)〜ガウディとカタルーニャ広場、生命の街〜

ガウディは好きではなかった。あの、グエル公園にあるような、うねうねと曲がった土色の壁に斑点、そこに謎のトカゲ、というあの感じが苦手であった。だから、建築家ガウディの生まれた街バルセロナに行こうと決めた時も彼の作品をめぐるということはあまり…