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旅、映画、食べ物、哲学?

2018-01-01から1年間の記事一覧

On "Happy Christmas"

確か去年のことだったと思うが、トランプ大統領が「Happy Holidays」ではなく「Happy Christmas」といったことで問題になった。なぜかというと、現在アメリカでは、特にリベラル層を中心にだと思うが、あらゆる宗教や人種がアメリカにいるという理由で「Happ…

旅と自由

ブログに書いたかどうかは忘れたが、以前、散歩中に迷ったことがあった。 その日は大学の授業が13時30分からあったのだが、昼食の海鮮丼定食を待っていたら、授業に5分ほど遅刻する時間になってしまっていた。その授業に魅力をあまり感じなくなってきていた…

インド映画の効能

今年一の大発見は、人間はやはり弱いのだということだった。もちろんそんなことはわかってはいたわけだが、やはり弱い。いつでもやる気に溢れることなんてできないし、打開する道を見出すことも容易ではなく、くじけてしまうこともままある。心の奥の灯火が…

国を作る

京都のバーには、新撰組由来の名前のカクテルが置かれていた。近藤勇、土方歳三、藤堂平助、原田左之助などなど。土方歳三を飲んでみたが、ジンジャーが強く効いていて、キリッとした感じがどこか「鬼の副長」と呼ばれて恐れられた土方の人となりを表現して…

説明責任の時代

現代は、説明責任の時代のように思うことがある。 もしかしたら、近代もそうだったのかもしれない。だがわたしは19世紀人ではないし、そのあたりはよく知らない。とにかく言いたいのは、今の世の中が説明責任を求めてくる時代だということである。 例えば、…

アジアの香り〜大阪〜

初めての大阪だった。 というと、驚かれることが多いが、国内旅行そのものが、3年ほど前に行った函館以来だったのだから、大阪が初めてでもおかしくはない。だが、不思議なのは、私は関西系のルーツしか持っていないにもかかわらず、大阪という土地に行った…

餃子は回る

実は昨日、父の誕生日があって、そのお祝いということで母とトルコ料理を作った。できはなかなかで、本物を食べたことあるのは私だけだったが、再現度としては90パーセントくらいはいけていたと思う。作ったのは、トルコの餃子マントゥと、レンズ豆のスープ…

カレーなる道

今年から大学でヒンディー語を始めた。理由は割とテキトーで、今までやったことがなかったのと、インドを背負う大言語であるのと、文字の関係で自力での学習が難しそうだと判断したからだった。しかしこれが思いの外楽しく、そこから芋づる式にインドにはま…

18都市目:モスクワ(2)〜До встречи!〜

トゥヴェルスカヤ通りの付け根にある革命広場駅から、スモレンスカヤ駅を目指す。相変わらずエスカレーターが深い。ゆったりとした旅なら良いが、アルバート通りでパッと食べて、クレムリンに戻ってきたかったので、これが鬱陶しい。革命広場駅は、装飾が無…

18都市目:モスクワ(1)〜Снова в СССР?〜

シャルル・ド・ゴール空港からアエロフロートで空を飛び、モスクワはシェレメチエヴォ空港まで三時間。夜も遅いフライトなので多少は眠ったが、時差を換算していなかったがために、5時間寝るつもりが3時間しかなく、寝不足感は否めない。フライト中膝の上に…

16都市目:パリ(4)〜Time To Say Goodbye〜

ジャズクラブでパリの夜を締める前、私は移民街散歩を敢行した。もともと移民街という場所が好きだった。それは単純にこの前パリに来た時に移民街に泊まっていたからかもしれない。前回のパリでは、私はパリ北駅からより北上し、インド人街を抜けたところに…

16都市目:パリ(3)〜Comme le temps passe〜

パリのアパルトマンを出た後は、哲学科としては外せない、パスカルの故郷「クレルモン=フェラン」へ行く予定だった。しかし、パリのアパルトマンで、皆気が変わってしまった。パリは五日では回れないのだ。さらにパリは魅力的だった。だから、私たちはパリの…

16都市目:パリ(2)〜俺たちのヴォージラール、そしてエッフェル塔〜

前にも書いたが、私たちはパリにアパルトマンを一室借りて、5日間住んでいた。日本の「パリ生活社」という会社を使ってネットで予約したため、説明書きが日本語だったし、問題もなく入居できたのがよかった(ちなみに、実は現在私は友人と京都の一軒家に三日…

17都市目:ロンドン(5)〜Hello, Goodbye〜

一歩路地を入る。すると煉瓦造りの通りに出る。産業革命の時代からそのままあり続けているような、レンガのアパートがたくさんある。階段の手すりは鉄製で、これもまた趣がある。こんな場所があるとは知らなかった。正直なところ、テートモダンのあたりの路…

17都市目:ロンドン(4)〜Let it be〜

ヨーロッパの強烈な日差しを浴びながら、国会議事堂を横目にウェストミンスター橋を渡った。渡りきるのは初めてだ。この先にはサウスバンクと呼ばれる地区があり、有名なシェイクスピアのグローブ座もある。ロンドンの新名所で、私は観たことがなかったシェ…

17都市目:ロンドン(3)〜Mother Mary〜

ロンドンの博物館は基本的に無料である。もちろん、払いたくなったら募金箱に払っても良い。つまり、任意である。ナショナルギャラリーに入ろうと思ったのもその辺のお財布に優しい事情があった。 さて、ピカデリーサーカスからナショナルギャラリーのあるト…

17都市目:ロンドン(2)〜London Recalling〜

ベーカー街といえばシャーロックホームズである。数年前BBCで始まった現代版の「SHERLOCK」が大ヒットして以降、この地を訪れた人も増えたと思う。というのも、私は小学六年生の頃、まだSHERLOCKも存在せず、ベネディクト・カンバーバッチも無名だった頃にシ…

17都市目:ロンドン(1)〜First Train to London/Here comes the sun〜

ロンドンは3度目である。シャーロックホームズやハリーポッターの世界にどっぷり浸かっていた小学校6年の夏に家族で行ったのと、それから高校一年の時にアスコットに語学研修で行った時のエクスカーションで行ったのが、わたしのロンドン経験の全てだ。しか…

16都市目:パリ(1)〜再会〜

この度の実質的最後の滞在地パリは、再会の街であった。そもそもパリという街自体、再会の相手だった。今まで巡ってきた街は、リヨンを除けばどこも初めての場所だった。しかしパリは4度目になる。そしてそんな街でわたしは5度にわたる再会の場に立ち会った…

15都市目:モンサンミッシェル(2)〜異様な城塞〜

モンサンミッシェルがそびえ立っている。塔に掲げられた旗はフランスとノルマンディー、ブルターニュとは違う歴史を宿している。とにかく風が吹きつけてくる。そりゃそうだ、城の向こう側は海なんだから。 モンサンミッシェルは山である。頂上にある御本殿が…

15都市目:モンサンミッシェル(1)〜異様な城郭〜

朝起きて、パッキングをし、フロントに降りると、昨日のおじさんではなく、ちょっと怖そうなおばさんが座っていた。チェックアウトの手続きを済ませ、 「朝食はどこで食べられますか?」と尋ねると、「あっちよ」とおばさんはフロントの奥の方をぶっきらぼう…

15都市目:レンヌ(2)〜黄昏の暑く温かい街〜

車通りの多い駅前の通りを歩き、途中で右に曲がると、明らかに新市街だなという雰囲気の通りに出た。一応、ホテルのおじさんナビに従って歩いている。その道には、おじさんが言ったように中華料理屋などもあり、なんとなく、移民街を形成しているようだった…

15都市目:レンヌ(1)〜知らない街〜

ラ岬から戻るともう一時だった。わたしは駅でユーレイルパスをケチって28ユーロのレンヌ行の切符を買った。なぜかと言えば、レンヌからパリまでユーレイルパスを使うとして、そのあとパリで合流する友人とロンドンとクレルモン=フェランに行こうと思っていた…

14都市目:ラ岬〜地の果て〜

目を覚ますと朝だった。まだ7時だ。どうやら熱は出ていない。体の痛みも多少は引いている。わたしはとりあえずパッキングして、ラ岬へ向かう最初のバスに乗ることにした。 チェックアウトをすると、昨日はぶっきらぼうだったホテルのお兄さん=バーの店員=タ…

14都市目:カンペール(2)〜I'm Down〜

身軽になって街に出たらもう15時になっていた。明らかに昼を食べ逃している。だが何も食わないというのは癪にさわるので、教会前の広場で食べられるところはないかと探した。すると、一軒やっている。隣は観光案内所だ。 未だにヨーロッパの店の入り方を理解…

14都市目:カンペール(1)〜Jamais le Dimanche〜

まだ真っ暗い早朝にホテルをチェックインし、坂道を下りて、ナントに名残惜しさを残しながらトラムの駅に着いた時、わたしは衝撃の事実を知った。なんと、今日は日曜日なのである。キリスト教圏の日曜日は恐ろしい。あらゆるものが閉まってしまう。日本にだ…

13都市目:ナント(2)〜Live Together in Perfect Harmony〜

ナントの街を歩いていて気づくのが、他の街、他の国と比べて人種間交流が多いことだ。何が言いたいのかというと、黒人と白人が楽しそうに一緒にいる度合いが高い。もちろん今のご時世他のところでは差別が強くあるわけではない。だがなんとなくグループが出…

13都市目:ナント(1)〜Live Together in Perfect Harmony〜

「次はフランス語で話そう」 「そうね、ムッシュー」 ドイツ人のジャーナリストとバス停で別れた私は、バスに乗ってバス停へ行くという稀に見るシュールなことをした。もちろん、乗るバスは市営バス、目的地のバス停から出るのは長距離バスだ。途中誤ったバ…

12都市目:ボルドー〜ボルドーの人々〜

アンダイエの街には数時間いたが、外には出なかった。理由はない。駅の中で次の街ボルドーでのホームステイ先の人とメールをしたり、本を読んだりしていた。ふと目をやると、赤い看板のキオスク「Relay」や、価格帯が高めの自販機「Selecta」が置かれている…

11都市目:イルン/アンダイエ(2)〜Across the border〜

朝起きて、別室のシャワールームで顔を洗い、目を覚ました。パッキングをして、外に出ようとすると、鍵が硬く開かない。30分は格闘しただろう。なんとかしてドアをこじ開け、外に出た。代金は払ってあるので、声の高い女主人に声だけかけてホテルを立った…