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旅、映画、食べ物、哲学?

短文:新宿の猫

数ヶ月ぶりにTwitterを使い始めたら、世の中を騒がしていたのは巨大な猫だった。化け猫の類ではない。立体的な広告だそうだ。

それはどうやら新宿のビルの掲示板のようなところに出現しているらしい。評判も上々で、迫力があるという。

新宿方面に行く予定は結構あるのだが、最近ほとんど新宿で降りることがない。ピンポイントで新宿に降りる予定がないというのもそうだし、やっぱり、昨今の事情で飲み食いをしに行かなくなったというのも大きい。

だから、猫を見てみたければ降りればいいのだけれど、なかなか降りようという決心も湧かない。夜は早く家に帰って食事を済ませてしまいたいし、多分朝は忙しい。

そういうわけで、時々、帰りの電車から見えないものかと新宿の街を見ている。だが、どうも電車からは見えないようで、見当たらない。そもそも、詳しく調べたわけではないので、東口なのか西口なのか、はたまた南口なのかすら分かっていない。

そもそも猫なんてそんなもんじゃないか。どこにいるかなんてわかるもんじゃない。どっしり構えてると思えばすぐにどこか行く。

などと言いつつも、猫、見てみたいなあと思いながら、先程Twitterを眺めていたら、東口らしいということがわかった。目をこらしたら見えるだろうか。いや、降りればいいのだが、ここまできたらもう少し頑張ってみたくもなる。

まだ私の中で新宿の猫は生死も存在もわからない。はてさて、私は猫が存在しているうちに、猫を見つけることができるのか。それはひょっとすると確率次第。気分はニールス・ボーアである。