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旅、映画、食べ物、哲学?

音楽

寛容のレッスン〜クリスマスに〜

今年のクリスマスは、家族でセッションをした。父がフルートを吹き、母がピアノを弾き、私が音程の悪いヴァイオリンを鳴らした。 クリスマスイヴの昨日はそこまでひどくない音を鳴らせたが、今日はあまりかんばしくない。腕やら体やらが硬いようで、うまく音…

受動のレッスン:ヴァイオリンとカレー

今年になってヴァイオリンを始めた。 そういうことにしている。 本当は中学生の時に習っていたことがあった。シャーロックホームズが好きだったし、家には曾祖父さんの形見のような古い鈴木ヴァイオリンがあったからである。だけど、ピアノを習っていた時も…

音楽の勉強、音楽の解読、音楽の喋り

音楽の勉強を始めた。 いわゆる楽典だとか、和声法だとか、対位法だとかいった類のやつである。 ちょこちょこと音楽を作るのに、修士論文を書き始めたあたりからハマりだしていたのだが、どうしても勉強が必要になった。というのも、私には、コードがわから…

心の音楽〜「神様メール」〜

「神が愛であふれたお方なら、なぜ世界は苦しみに溢れているのか?」 そんな問いがキリスト教が浸透したヨーロッパで強く問い直されるようになったのは1755年に起こったリスボン大震災のときからだったという。 ベルギー映画「神様メール(Le Tout Nouveau T…

1+1+1+...+1=1

カレーを作ることにハマっている。ルーを買ってきて、煮込むわけではない。南アジア系の人が経営しているショップでスパイスを買い込み、動画サイトで理解できないヒンディーやウルドゥーやベンガリーでのレシピ動画を見ながら、レシピを確認し、できるだけ…

本質と音楽〜哲学所感3〜

まずあらかじめ断っていくが、今回は少々突飛なことを言おうと思う。日常生活で普通とされていることを裏切ろうとしているのである。だがそれは必要な裏切りだ。そして素晴らしい裏切りだと私は信じている。 その前に、ちょっと話を振り返っておこう。第一回…

イヤフォンについて

ポータブル型の音楽機器が発明されて、私たちはどこにでも音楽を持ち運ぶことができるようになった、と言われる。それまでは音楽はでかいスピーカーから流れるものだった。いやもっと昔に戻れば、楽器から発せられるものだった。そういう意味で、確かに現代…

インド映画の効能

今年一の大発見は、人間はやはり弱いのだということだった。もちろんそんなことはわかってはいたわけだが、やはり弱い。いつでもやる気に溢れることなんてできないし、打開する道を見出すことも容易ではなく、くじけてしまうこともままある。心の奥の灯火が…

16都市目:パリ(3)〜Comme le temps passe〜

パリのアパルトマンを出た後は、哲学科としては外せない、パスカルの故郷「クレルモン=フェラン」へ行く予定だった。しかし、パリのアパルトマンで、皆気が変わってしまった。パリは五日では回れないのだ。さらにパリは魅力的だった。だから、私たちはパリの…

16都市目:パリ(2)〜俺たちのヴォージラール、そしてエッフェル塔〜

前にも書いたが、私たちはパリにアパルトマンを一室借りて、5日間住んでいた。日本の「パリ生活社」という会社を使ってネットで予約したため、説明書きが日本語だったし、問題もなく入居できたのがよかった(ちなみに、実は現在私は友人と京都の一軒家に三日…

17都市目:ロンドン(2)〜London Recalling〜

ベーカー街といえばシャーロックホームズである。数年前BBCで始まった現代版の「SHERLOCK」が大ヒットして以降、この地を訪れた人も増えたと思う。というのも、私は小学六年生の頃、まだSHERLOCKも存在せず、ベネディクト・カンバーバッチも無名だった頃にシ…

13都市目:ナント(2)〜Live Together in Perfect Harmony〜

ナントの街を歩いていて気づくのが、他の街、他の国と比べて人種間交流が多いことだ。何が言いたいのかというと、黒人と白人が楽しそうに一緒にいる度合いが高い。もちろん今のご時世他のところでは差別が強くあるわけではない。だがなんとなくグループが出…

11都市目:イルン(1)〜異邦人、あるいは旅の終わり〜

マドリードからトレドへ向かうバスとは、明らかに違う風景が外に広がっている。周りは緑、緑、緑。山も緑。ところどころにある建物は、白い漆喰で塗られ、屋根はオレンジ色だ。まさにバスク地方の道だ。日本人にとっては、マドリード付近の荒地が広がる風景…

10都市目:ビルボ(3)〜熱狂の街〜

ブラスバンドの音が聞こえてくる方へと歩いて行くと、そこには人だかりがあった。真ん中では四人はどのブラスバンドが楽器を弾き、1人の人が大きな黒い旗を振っている。最初は何事かと思ったが、そういえば祭りである。いわば、前夜祭といったところだろう。…

One on One

思えば、小学生の頃だったと思う。 当時の僕はなぜだかイギリスブームで(ハリーポッターやシャーロックホームズやアガサクリスティー、ドクターフーのせいだと思う)、とにかくイギリスのものだと言われればなんでも受容していた。大河ドラマの「篤姫」で生…

ざらり、音楽のはなし

この前の日曜日のことになるが、カナダで知り合った友達と再会した。というと、夏のカナダ研修以来あっていないような雰囲気が出てしまうが、実を言うと大体4ヶ月ぶりくらいになる。というのも、12月にカナダで僕らの面倒を見てくれた人が来日したからだ。そ…